ハーグ条約
国際離婚に伴う子の扱いめぐり注目
日本の批准、欧米諸国が要求


ハーグ条約について大谷美紀子弁護士(右)から話を聞く党法務部会=10月20日 衆院第2議員会館

 国際結婚した夫婦の破綻に伴い、一方の親が子どもを連れ去るトラブルが相次いでいます。

 1208divorce例えば、日本人の元妻によって連れ去られたわが子を取り戻そうとした米国人の元夫が、日本の国内法により未成年者略取容疑で逮捕される一方、米国では 「元妻が子どもを拉致」と報じて批判するなど、日本と欧米諸国の間で対立が起きています。この問題の背景には、「国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ 条約(ハーグ条約)」に対する扱いの違いがあります。

 ハーグ条約とは、子どもが海外に連れ出された場合、元の国へ戻すことを原則とし、加盟国は子どもの返還に協力しなければならないとする内容です。現在、ほとんどの主要国を含む81カ国が同条約に加盟していますが、日本は加盟していません。

 去る10月16日には、米国のルース大使ら8カ国の駐日大使が、千葉景子法相に対して条約への早期加盟を申し入れるなど、海外から日本の加盟を求める声が高まっています。

 日本が加盟していない理由として、欧米諸国との法律や慣習の違いがあります。条約に加盟する欧米諸国の多くでは、離婚した場合も共同で親権を持ち、同居 しない親には面会権が与えられます。しかし、日本の民法では共同の親権は認められず、面会についても明確な規定はありません。

 また、日本人の元妻が、元夫の家庭内暴力(DV)から逃げるために子どもを連れて帰国しているケースも少なくありません。そのため、条約に加盟すると子どもと引き離されてしまったり、再び暴力を受けるのではないかとの懸念が生じています。

 しかし、ハーグ条約には親権の決定権はなく、あくまでもいったん子どもを元の国に戻すだけの条約であることから、国際ルールに合わせるべきとの声も上がっています。

 公明党法務部会(大口善徳部会長=衆院議員)は10月20日、この問題に詳しい弁護士の大谷美紀子氏を招いて勉強会を開催。11月17日には、神崎武法常任顧問が衆院法務委員会でハーグ条約の早期批准に向けた検討を進めるよう訴えています。